EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ルクソール神殿
© Ad Meskens / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q319841
様式 · 古代エジプト建築 時代 · 古代 類型 · 宗教建築 ★ 世界遺産「古代都市テーベとその墓地遺跡」(1979年登録)の構成資産

ルクソール神殿 Luxor Temple

معبد الاقصر

エジプト・ルクソール(古代テーベ)のナイル東岸に立つ新王国時代の神殿。アメンホテプ3世が中核を築き、ラムセス2世が塔門と前庭を加えた。スフィンクス参道でカルナック神殿と結ばれ、オペト祭の目的地となった。

FIG. 02 — Location25.7000° N 32.6392° E
エジプト ルクソール県 ルクソール
§1 — 概要

概要

ルクソール神殿は、ナイル川東岸、古代都市テーベ(現在のルクソール)の中心に位置する古代エジプトの神殿である。古代には「イペト・レシト(南の聖域)」と呼ばれ、北のカルナック神殿(アメン大神殿)と約2.7キロメートルの参道で結ばれて一対をなした。アメン、ムト、コンスのテーベ三柱神の祭祀にかかわると同時に、王権の再生と更新を主題とする神殿と解されている。1979年、世界遺産「古代都市テーベとその墓地遺跡」の一部として登録された。

歴史

中核部を築いたのは第18王朝のアメンホテプ3世(在位前1390〜前1352年ごろ)で、奥の至聖所から列柱室、中庭、大列柱廊までがこの王の計画による。工事はアクエンアテンの宗教改革期に中断し、アメン信仰を復興したツタンカーメンのもとで大列柱廊の壁面にオペト祭の行列を描く浮彫が刻まれた。浮彫に刻まれた王名の多くは、のちにホルエムヘブが自らの名に改めている。

第19王朝のラムセス2世は、軸線をカルナックの方向へ振った前庭(ラムセス2世の中庭)と第1塔門を加え、塔門の前に2本のオベリスクと王の巨像を据えた。その後も増築は続き、第30王朝のネクタネボ1世はカルナックへ至る参道を人頭のスフィンクス像で飾った。神殿奥にはアレクサンドロス大王の名で聖舟祠堂が設けられている。

ローマ時代の3世紀後半には神殿一帯が軍の駐屯地となり、奥の一室は四帝統治期の皇帝崇拝の場に改められた。中世以降は神殿の上に集落が広がり、堆積した瓦礫と家屋に大半が埋もれた。前庭には13世紀ごろアブー・アル=ハッジャージのモスクが築かれ、現在も礼拝に使われている。本格的な発掘は1884年、ガストン・マスペロのもとで始まった。

建築的特徴

神殿はジェベル・エル=シルシラ産の砂岩で築かれ、入口から塔門、前庭、大列柱廊、中庭、列柱室、聖舟祠堂、至聖所と、行列の進む軸に沿って空間が連なる。

ラムセス2世の第1塔門は高さ約24メートル、幅約65メートルで、外壁にはカデシュの戦いを描く浮彫が刻まれる。塔門前のオベリスクは本来左右一対で、西側の1本は1830年代にフランスへ贈られ、パリのコンコルド広場に移された。2本は高さが異なり、低い方を高い台座に載せて塔門から離して置くことで、正面から同じ高さに見えるよう配置されていたと考えられている。

前庭は、蕾形の柱頭をもつパピルス柱を二列にめぐらせる。その奥に続くアメンホテプ3世の大列柱廊は、開いた花の形の柱頭を戴く14本の巨柱を7本ずつ2列に並べた通路で、いまも巨大な梁石を支えている。大列柱廊の先の中庭は、束ねたパピルスをかたどる柱の列で三方を囲まれ、その奥に多柱式の列柱室と前室群が続く。最奥部では、アメンホテプ3世の祠堂の内部にアレクサンドロス大王の聖舟祠堂が建てられ、異なる時代の建築が入れ子状に重なっている。

意義・現在

ルクソール神殿は、毎年のオペト祭でカルナックから聖舟に載せて運ばれたアメン神の像が滞在する目的地であり、参道とともに、都市全体を祭礼の舞台としたテーベの宗教空間を伝える。古代の神殿、ローマの軍事施設、キリスト教の教会、イスラームのモスクが同じ場所に重なり、長く宗教空間として使われ続けてきた点でも稀有である。カルナックとを結ぶスフィンクス参道は、長年の発掘と修復を経て2021年に一般公開された。

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データ: Wikidata (Q319841) / 解説: Wikipedia 日本語版 · English / 画像: © Ad Meskens / CC BY-SA 3.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.09.16
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