テアティナー教会 Theatine Church
ミュンヘン、オデオン広場に面する盛期バロックの教会。正式名は聖カエタヌスおよび聖アーデルハイト教会で、バイエルンにおける最初期のイタリア盛期バロック建築として知られる。
§1 — 概要概要
テアティナー教会は、ミュンヘン中心部、王宮(レジデンツ)に向かい合うオデオン広場に建つ盛期バロックの教会である。正式名を聖カエタヌスおよび聖アーデルハイト教会といい、かつてはテアティノ会の宮廷・修道院教会であった。バイエルンに建てられた最初のイタリア盛期バロック様式の教会であり、その後のバイエルン・バロックの起点となった。黄色い外壁と二本の塔、堂々たるドームが、この地の景観を特徴づけている。
歴史
1659年、選帝侯フェルディナント・マリアの妃ヘンリエッテ・アーデルハイト・フォン・サヴォイエンは、世継ぎ誕生への感謝として「最も美しい教会」を建てることを誓願した。1662年に世継ぎマクシミリアン2世エマヌエルが生まれると、ボローニャ出身のアゴスティーノ・バレッリが設計を委嘱され、1663年に定礎された。バレッリはローマのテアティノ会本山サンタンドレア・デッラ・ヴァッレを範とした。施工をめぐる対立からバレッリは躯体を残してミュンヘンを去り、その後エンリコ・ツッカリが造営を引き継いで高さ71メートルのドームと65メートルの双塔を完成させた。優美なロココのファサードは、さらに後の1765年から1768年にかけてフランソワ・ド・キュヴィイエ父子が加えたものである。
建築的特徴
平面はラテン十字の上にドームを架けたドーム・バシリカで、サンタンドレア・デッラ・ヴァッレに倣う。塔の冠の下に置かれた渦巻装飾は、ヴェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・サルーテのドームに着想を得たものとされる。身廊は長さ72.5メートル、高さ28.55メートルに及び、白い漆喰の彫塑的な装飾が内部を覆う。十八世紀に加えられたロココのファサードは、初期バロックの堂体に軽やかな対照をなしている。
意義・現在
テアティナー教会は、イタリアの盛期バロックがアルプスを越えてバイエルンに移植された最初の記念碑であり、南ドイツのバロック教会建築の規範となった。ヴィッテルスバッハ家の墓所のひとつでもある。現在はドミニコ会によって管理され、ミュンヘンの中心を彩る建築として親しまれている。