EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ティムール朝建築

Timurid architecture
年代
1370 — 1507
地域
中央アジア・イラン
時代
中世

ティムール朝建築は、14世紀後半から15世紀にかけて、ティムール(タメルラン)とその後継者が中央アジアからイラン高原に築いた建築様式である。サマルカンド、ブハラ、ヘラート、マシュハドを中心に展開し、モンゴル侵攻後に断絶しかけたペルシア=イスラーム建築の伝統を、帝国の威信を背景に壮大な規模で再興した。

形態の特徴は、第一に巨大さである。高くそびえるイーワーン(半屋外のヴォールト空間)が建物の正面を支配し、中庭の四辺中央にこれを据える四イーワーン形式が定型となった。第二に、青を基調とする色釉タイルの全面的な被覆である。モザイク・タイルやファイアンス、クエルダ・セカの技法を駆使し、アラベスクや幾何学文、クーフィー体の銘文が壁面を覆う。第三に、構造と意匠を兼ねた二重殻ドームである。外殻を高く持ち上げ、しばしば球根状の輪郭をとるドームは、都市の遠景を決定づける記念碑となった。入口を飾るムカルナスの鍾乳石状装飾や、対に立つミナレットも、この様式を特徴づける要素である。

代表作には、サマルカンドのビービー・ハーヌム・モスクやグーリ・アミール廟、レギスタン広場の諸マドラサ、そしてマシュハドのゴハルシャード・モスクがある。これらの造営を主導した宮廷建築家ガヴァーム・アッディーン・シーラーズィーの仕事は、様式の到達点を示す。ティムール朝建築は、先行するイルハン朝建築の成果を受け継ぎつつ規模と装飾を一段と高め、その語彙はのちのサファヴィー朝のイスファハーンや、インドのムガル建築(タージ・マハルなど)へと受け継がれていった。

ティムール朝建築
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
親様式
イスラーム建築
本様式
ティムール朝建築
隣接する様式