EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

ヴェネツィアン・ゴシック

Venetian Gothic
年代
1300 — 1500
地域
ヴェネツィア(イタリア)
時代
中世

ヴェネツィアン・ゴシック(ヴェネツィア・ゴシック)は、14〜15世紀の海洋都市ヴェネツィア共和国で展開した、独自のゴシック建築である。北方ゴシックの尖頭アーチやトレーサリーを基礎としながら、東地中海交易を通じて流入したビザンティンやイスラームの装飾感覚を融合させた点に最大の特色がある。垂直性や構造の劇性を強調する北方ゴシックとは対照的に、水の都にふさわしい軽やかさと装飾性を志向した。代表的な要素として、葉飾りや四つ葉模様を透かした繊細なトレーサリー、尖頭アーチを連ねた開放的なロッジア、色大理石を組み合わせた多彩な壁面が挙げられる。潟という軟弱地盤の上に、重い壁体をできるだけ軽くまとめる必要から、開口を大きくとった軽快な立面が好まれた。教会堂のみならず、運河沿いの邸宅(パラッツォ)にもこの様式が広く用いられた点も特徴である。最高傑作はドゥカーレ宮殿であり、列柱廊の上にロッジア、さらにその上へ重厚な壁面を載せる反転した立面構成は、「花のゴシック」とも称される。カ・ドーロなどの邸宅とともに、19世紀にはジョン・ラスキンの著作を介して各国のゴシック・リヴァイヴァルに影響を与えた。

ヴェネツィアン・ゴシック
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
親様式
ゴシック建築
本様式
ヴェネツィアン・ゴシック
隣接する様式