フランスのゴシック建築
フランスのゴシック建築(French Gothic architecture)は、12世紀半ばのフランスに生まれ、中世後期のヨーロッパを席巻した建築様式である。ゴシックはこのフランス、わけてもパリを中心とするイル=ド=フランス地方に始まり、各地へと広まっていった。
その構造は、尖頭アーチ・リブ・ヴォールト・飛梁という三つの要素を組み合わせる点に特徴がある。これにより、壁は荷重の重荷から解かれ、聖堂は天へと高く伸びあがり、大きな窓からステンドグラスの光を採り入れることが可能になった。高い身廊と、外へ張り出した飛梁の連なりは、フランス・ゴシックの大聖堂に共通する堂々たる外観をつくりだしている。垂直性と光、そして石の骨組みの論理が、この様式を一貫して貫いている。
フランスのゴシックは、時代を追って姿を変えた。12世紀の初期ゴシックに始まり、13世紀前半の盛期ゴシックで構造と意匠の完成を見て、続くレイヨナン式が光と繊細さをきわめ、末期にはフランボワイヤン式の華麗な装飾へと至った。サン・ドニ、シャルトル、ランス、アミアン、そしてノートルダム・ド・パリといった大聖堂は、いずれもこの様式の記念碑である。中世西欧が生んだ、最も壮大な造形の達成の一つであり、後世の建築や19世紀のゴシック・リヴァイヴァルにも深い影響を残した。