フランボワイヤン
イタリア・ゴシック建築(Italian Gothic architecture)は、13世紀から15世紀にかけて、イタリア半島で展開したゴシック建築である。フランスに生まれたゴシックを、イタリア独自の感覚で受けとめた点に特徴がある。北方のゴシックが、高くそびえる垂直性と、壁を埋めつくすステンドグラスを追い求めたのに対し、イタリアでは、水平の線が重んじられ、壁面は広く保たれて、しばしば色大理石の縞や、フレスコ画によって飾られた。
その背景には、古代ローマの伝統と、明るい陽光の風土があった。尖頭アーチやバラ窓といったゴシックの語彙を用いながらも、空間はより穏やかで、量塊感をたもつ。シエナ大聖堂やオルヴィエート大聖堂、フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレなどが、その代表である。なかでもミラノのドゥオーモは、北方の様式を大胆に取り入れた、イタリア・ゴシック最大の聖堂として、異彩を放っている。やがてルネサンスの古典様式が興ると、ゴシックはイタリアでいち早く姿を消していった。