EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
プランバナン寺院群
© Gunawan Kartapranata / CC BY-SA 3.0
FIG. 01 — Q47721
様式 · 古代ジャワ建築 時代 · 中世 類型 · 宗教建築 ★ 世界遺産「プランバナン寺院群」(1991年登録)

プランバナン寺院群 Prambanan Temple

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ジャワ島中部に残る古代ジャワ最大のヒンドゥー寺院群。9世紀のマタラム王国が築き、高さ47メートルのシヴァ堂を中心に240基の祠堂が同心方形に並んだ。

FIG. 02 — Location7.7520° S 110.4912° E
インドネシア ジョグジャカルタ特別州 スレマン県
§1 — 概要

概要

ジャワ島中部、ムラピ火山の南に開けた平野に立つヒンドゥー教寺院群である。創造のブラフマー、維持のヴィシュヌ、破壊のシヴァというトリムルティ(三神一体)に捧げられ、中心をなすシヴァ堂は高さ47メートルに達する。古代ジャワに築かれたヒンドゥー建築としては最大規模であり、同じ平野に建つ仏教のボロブドゥールとともに、8〜9世紀の中部ジャワが到達した石造技術の水準を示す。行政上はジョグジャカルタ特別州スレマン県に属し、寺域の一部は中部ジャワ州との州境にかかる。

歴史

創建は850年ごろ、マタラム王国のラカイ・ピカタン王による。856年のシワグラ碑文は、この地にシヴァを祀る寺院が落成したことを記し、当初の名を「シワグラ(シヴァの家)」と伝える。仏教を奉じたシャイレーンドラ家が退き、ヒンドゥーのサンジャヤ家が中部ジャワの主導権を握った、その転換を可視化する事業だったとみられる。以後もロカパーラ、バリトゥン、ダクサら歴代の王が周囲に小祠堂を加え、寺域は240基のチャンディを擁するまでに広がった。

10世紀前半、王権が東ジャワへ移ると寺院は放棄される。1006年のムラピ火山の噴火が引き金になったとも、王位をめぐる争いによるとも言われるが、理由は定まっていない。16世紀の地震で大半が倒壊し、石材は各地へ持ち去られた。残された石の山は「ララ・ジョングラン(ほっそりした乙女)」の伝説をまとって語り継がれる。

1733年にオランダ東インド会社の一員が最初の記録を残し、19世紀に入って測量と調査が始まった。本格的な修復は1930年代、オランダ領東インド考古局によるアナスティローシスから。戦争と革命による中断を挟み、シヴァ堂の復元は1953年、ブラフマー堂は1987年、ヴィシュヌ堂は1991年に完了した。2006年のジャワ島中部地震では再び損傷を受けている。

建築的特徴

寺域は方形の囲壁を三重に重ねた構造をとる。最も神聖な内区の壇上には、東を正面とするトリムルティの三堂が南北に並び、その東側に各神の乗物(ヴァーハナ)――ナンディン、ガルダ、ハンサ――を祀る三堂が向かい合って建つ。外区には224基の小祠堂(プルワラ)が内側から44・52・60・68基の四重の同心方形をなして並んでいたが、完全に復元されたものは6基にとどまる。

シヴァ堂は高さ47メートル、一辺34メートル。方形の堂身の上に、段状に縮小する屋蓋を積み重ね、稜線に小塔を並べて、全体を岩山のようなシルエットにまとめる。神々の住む須弥山を石で写した造形である。内部は五室に分かれ、中央のガルバグリハに3メートルのシヴァ・マハーデーヴァ像を安置し、北室にドゥルガー、南室にアガスティヤ、西室にガネーシャを配する。ドゥルガー像は「ララ・ジョングラン」の名で親しまれてきた。

堂を巡る回廊の欄干内側には『ラーマーヤナ』の浮彫が刻まれる。東側から時計回りに巡拝(プラダクシナ)すると物語が順に読め、続きはブラフマー堂の回廊へ引き継がれる。石材は安山岩で、モルタルを用いず、突起と凹みを噛み合わせて積み上げられている。この乾式の積み方が、崩落後の部材から元の位置を割り出す修復を可能にした。

意義・現在

プランバナンは、ほぼ同時代・同地域の仏教建築であるボロブドゥールと対をなす。中部ジャワが二つの宗教のために、階段状の立体曼荼羅と垂直に伸びる塔堂群という異なる形式を並行して完成させた事実は、ジャワ建築史の厚みをよく示している。1991年、世界遺産「プランバナン寺院群」に登録された。

復元は現在も続く。原石の残存率が一定に満たない祠堂は積み直さない方針がとられているため、外区の大半は基礎を残すのみである。一方で1990年代以降、ジャワとバリのヒンドゥー教徒による祭祀の場としての機能が戻り、2019年には創建以来はじめてとされるアビシェーカの儀礼が営まれた。遺跡としてだけでなく、生きた聖域としての性格を取り戻しつつある。

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データ: Wikidata (Q47721) / 解説: Wikipedia 日本語版 · English / 画像: © Gunawan Kartapranata / CC BY-SA 3.0 — Wikimedia Commons
LAST EDIT — 2026.08.21
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