EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture
ノートルダム大聖堂 (ランス)
© Ludvig14 / CC BY-SA 4.0
FIG. 01 — Q206823
様式 · 盛期ゴシック建築 時代 · 中世 類型 · 宗教建築 ★ ユネスコ世界遺産(1991年登録/ランスのノートルダム大聖堂、サン=レミ旧大修道院、トー宮殿)。フランス歴史的記念物。

ノートルダム大聖堂 (ランス) Reims Cathedral

Cathédrale Notre-Dame de Reims

フランス北東部ランスに立つ、歴代フランス国王の戴冠の地として知られる盛期ゴシックの大聖堂。1210年の火災後1211年に着工して1275年に主要部が完成し、2,300体を超える彫刻と精緻なトレーサリーで名高く、第一次大戦の被災と修復を経て1991年に世界遺産に登録された。

FIG. 02 — Location49.2539° N 4.0342° E
フランス グラン・テスト地域圏 ランス
§1 — 概要

概要

ノートルダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame de Reims)は、フランス北東部シャンパーニュ地方の都市ランスに立つカトリックの大聖堂である。聖母マリアに捧げられ、13世紀に建てられた盛期ゴシックを代表する建築のひとつに数えられる。パリのノートルダム大聖堂とは別個の聖堂であり、歴代フランス国王の戴冠式が行われた「戴冠の聖堂」として、フランスの歴史において特別な位置を占めてきた。

歴史

この地には5世紀以来いくつもの聖堂が連なり、フランク王クロヴィスが司教聖レミギウスによって洗礼を受けた場所と伝えられる。これが王権と大聖堂を結びつける起点となった。1210年、それまでのカロリング朝期以来の聖堂が火災で焼失し、翌1211年、大司教オーブリー・ド・アンベールのもとで現在の大聖堂が着工された。設計はジャン・ド・ルベに始まり、ジャン・ル・ルー、ゴーシェ・ド・ランス、ベルナール・ド・ソワソンの四人の棟梁が次々と工事を引き継いだ。彼らの名は身廊の床にあった迷宮(ラビリンス)に記録されており、迷宮そのものは1779年に撤去されたが、後世の素描によって伝わっている。主要な構造は1275年までにほぼ完成し、彫刻や装飾はその後も長く続けられた。

建築的特徴

ランス大聖堂は、シャルトル大聖堂を範としながら、盛期ゴシックの構法を高度に統合した点に特徴がある。尖頭アーチリブ・ヴォールト、そして外部へ荷重を逃がす飛梁の組み合わせによって壁面を大きく開き、高い身廊を実現した。とりわけ、細い石の枠で窓面を分割するトレーサリー(バー・トレーサリー)がこの聖堂で本格的に確立され、以後のゴシック建築の窓割に決定的な影響を与えた。西正面には三つの扉口と大きなバラ窓が配され、歴代の王を表すとされる「諸王のギャラリー」をはじめ、2,300体を超える彫刻が外壁を覆う。微笑をたたえた天使像「微笑みの天使」は、その豊かな彫刻の象徴として広く知られる。

意義・現在

ランス大聖堂は、13世紀から19世紀にかけて多くのフランス国王が戴冠した地であり、1429年にはジャンヌ・ダルクに伴われたシャルル7世の戴冠が行われた。第一次世界大戦では、1914年9月以降のドイツ軍の砲撃によって屋根と木組みが焼け落ち、彫刻やステンドグラスも大きな損害を受けた。戦後の1919年から建築家アンリ・ドゥヌーの指揮で修復が始まり、プレファブのコンクリートによる小屋組など近代の技術も用いられた。修復はロックフェラー家をはじめとするアメリカの財団の支援を受け、1938年に大聖堂は再開された。20世紀以降にはマルク・シャガール(1974年)やイミ・クネーベル(2011年・2015年)による現代のステンドグラスも加えられている。1991年にはサン=レミ旧大修道院、トー宮殿とともにユネスコ世界遺産に登録され、現在も礼拝と式典の場として用いられている。

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LAST EDIT — 2026.07.24
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