フランスのゴシック建築
盛期ゴシック建築(Classic Gothic、盛期/古典ゴシックとも)は、13世紀前半のフランスに花開いた、ゴシック建築の成熟期を指す。初期ゴシックの実験を受け継ぎ、その構造と意匠を一つの完成された体系へとまとめあげた段階である。
この時期には、天井の交差穹窿が四分割(四分ヴォールト)へと整理され、より単純で力強い構造が選ばれた。外には洗練された飛梁が連なって高い身廊を支え、内部の立面は、アーケード・トリフォリウム・高窓からなる三層へと整えられた。壁面はいっそう開かれ、大きな高窓とばら窓が、堂内を豊かな光で満たす。垂直に伸びあがる線と、明快な比例の感覚が、この様式の身上である。聖堂の高さはしだいに競われ、身廊の天井は地上から三十数メートルにも達した。
シャルトル大聖堂を先駆けとして、ランスやアミアンの大聖堂が、盛期ゴシックの典型として築かれた。フランスに確立されたこの構築の体系は、ヨーロッパ各地の大聖堂の規範となり、やがて窓と光をきわめるレイヨナン式へと受け継がれていった。