シャイフ・ルトゥフッラー・モスク Sheikh Lotfollah Mosque
イランのイスファハーン、イマーム広場の東面に建つサファヴィー朝の王室モスク。1603年から1619年にかけてシャー・アッバース1世が造営させた。ミナレットも中庭ももたず、淡彩のタイルに覆われた[[dome|ドーム]]の美しさで名高い。
§1 — 概要概要・位置づけ
シャイフ・ルトゥフッラー・モスク(مسجد شیخ لطفالله)は、イラン中部の都市イスファハーンの中心、イマーム広場(ナクシェ・ジャハーン広場)の東面に建つモスクである。サファヴィー朝の最盛期に王室の私的な礼拝堂として建てられたもので、ミナレット(尖塔)も前庭(中庭)ももたない、礼拝室のみからなる簡潔で凝縮された構成に特色がある。
歴史
このモスクは、サファヴィー朝のシャー・アッバース1世の命により、1603年から1619年にかけて建設された。名称は、王が宮廷に招いたレバノン出身の高名なシーア派学者シャイフ・ルトゥフッラーに由来し、当初は王室と関係者のための礼拝の場とされた。建設の実務を担った建築家としては、ミフラーブの銘文に名を残すウスタード・モハンマド・レザー・エスファハーニーが記録される。また宮廷に仕えた学者で数学者でもあったシェイク・バハエイが、造営の監督・構想に関与したと伝えられる。
建築的特徴
最大の意匠上の工夫は、広場に開く入口と、メッカの方向すなわちキブラに向けて配される礼拝室との間に生じる軸線のずれを、L字形に折れ曲がる薄暗い前室によって巧みに吸収している点にある。礼拝室を覆うドームは内外二層の二重殻構造で、頂部までの高さはおよそ32メートルに達し、十六の格子窓から差し込む光が内部を満たす。表面はアラベスクや唐草・幾何学文を描いたタイルで覆われ、ドームへの移行部にはムカルナスが配される。とりわけ外殻のドームに用いられた、淡いベージュ地に時刻とともに表情を変える文様タイルは、サファヴィー朝のハフト・ラング(七彩)技法の精華とされる。
意義・現在
イマーム・モスクと向かい合うように広場に配されたこのモスクは、王の権威と信仰を都市空間のうちに統合したサファヴィー朝の都市計画思想を象徴する建築である。1979年には、イマーム広場を構成する記念物群がユネスコ世界遺産「イスファハーンのイマーム広場」として登録され、その構成資産の一つに数えられている。現在は一般に公開され、サファヴィー朝建築の最も洗練された到達点の一つとして、多くの来訪者を迎えている。
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