チャンディーガル議事堂 Palace of Assembly
インド北部チャンディーガルに建つ州議会議事堂。ル・コルビュジエの設計により1962年に竣工した。円形の議場を冷却塔のような双曲面の殻が覆い、彼の後期を代表する打放しコンクリートの造形として世界遺産に登録されている。
§1 — 概要概要
チャンディーガル議事堂(Palace of Assembly)は、インド北部の都市チャンディーガルの政庁地区、キャピトル・コンプレックスに建つ議事堂である。ル・コルビュジエの設計により1962年に竣工し、現在はパンジャーブ州とハリヤーナー州という二つの州議会が同居している。屋上を突き抜ける双曲面の殻と、反り上がった庇をもつ入口のポルティコによって、隣接する事務局や高等裁判所とは異なる、遠くからそれと分かる輪郭を与えられた。2016年、7か国17資産にまたがる世界遺産の構成資産の一つとして登録された。
歴史
1947年の分離独立により、パンジャーブ州は州都ラホールをパキスタン側に失った。初代首相ジャワハルラール・ネルーは、過去の様式にとらわれない新首都を求め、当初の計画者が去った後の1951年、ル・コルビュジエに都市計画と主要建築の設計を委ねた。議事堂の工事は同年に始まり、11年を要して1962年に竣工、開館式は1964年4月15日に行われた。1966年のパンジャーブ再編法によりハリヤーナー州が分離した後も、チャンディーガルは両州の州都であり続け、この一棟が二つの議会を収めることとなった。
建築的特徴
平面は正方形に近い矩形で、外周に事務室を巡らせ、内側に細い柱が林立する大広間を置く。その広間のなかに、円形の議場が中心をわずかに外して据えられる。議場を覆うのは、双曲面の薄い殻である。ル・コルビュジエはアーメダバードの発電所で見た冷却塔から着想を得たとされ、殻は屋根を貫いて立ち上がり、頂部を斜めに切り取られて、そこから議場へ光を落とす。副議場の上には角錐が載り、二つの立体が対をなす。正面には、反り上がった庇を細い支柱が支えるポルティコが張り出し、日射と雨を遮りながら風を通す。外壁にはブリーズ・ソレイユが組まれ、内部は階段ではなくスロープで結ばれる。寸法の決定にはモデュロールが用いられた。式典用の正面扉は、ル・コルビュジエ自身が図像を構成し、パリで焼き付けたホーロー板を空輸して取り付けたもので、上段に太陽と月の運行を、下段に川や樹木、牛などを原色で描く。
意義・現在
議事堂は、ル・コルビュジエ後期の打放しコンクリートによる彫塑的な造形が、公共建築の規模で結実した作品である。円形の議場と、階段を排した連続的な動線は、議論と往来の器としての建築という彼の主張を形にしたもので、その後の各国の議会建築にも影響を残した。一方、広大な広場と深い庇による気候制御は必ずしも十分に働かず、後年に空調機が外壁へ取り付けられるなど、当初の構想との齟齬も指摘されている。2016年、「ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献」の構成資産としてユネスコ世界遺産に登録された。現在も現役の議事堂であり、見学には事前の手続きを要する。
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