日本建築
法隆寺
奈良県斑鳩、聖徳太子ゆかりの仏教寺院。607年の創建で、金堂・五重塔など西院伽藍…
日本建築(Japanese architecture)は、木を主たる材として、柱と梁を組み上げる軸組構法を基本とする、東アジア木造建築の一系統である。6世紀以降、中国・朝鮮半島から仏教とともに伝わった大陸の様式を受け入れ、やがて風土と感性に合わせて独自に展開した。
構造の要は、柱の上に組物(斗栱)を積み、軒を深く持ち出す点にある。深い軒は雨の多い気候から建物を守り、内と外をゆるやかにつなぐ縁側を生んだ。規格化された部材は分業による効率的な造営を可能にし、木の組み手は地震の揺れを柔軟に受け流した。壁は構造を担わず、襖や障子といった可動の建具で仕切られるため、空間は流動的で、開け放てば庭と一続きになる。石造建築が壁で空間を囲い込むのとは対照的に、日本建築は柱と屋根の下に、開かれた場をつくる。
中世には、大陸から新たに、豪壮な大仏様と繊細な禅宗様がもたらされ、在来の穏やかな和様と並び立った。住宅では、武家の格式を示す書院造から、茶の湯の精神を映した簡素で非対称な数寄屋へと洗練が進む。装飾を削ぎ、素材の素地を生かし、余白と不均整に美を見出すその感覚は、桂離宮に一つの頂点をみる。
木は朽ちる。それゆえ日本建築は、伊勢神宮の式年遷宮に象徴されるように、建て替えと修復を前提とした。石の永遠とは異なる、更新によって受け継がれる建築観が、ここにはある。