EST. 2026 — Editorial Archive of Notable Architecture

レイヨナン式

Rayonnant
年代
1240 — 1350
地域
フランス
時代
中世

レイヨナン式(Rayonnant)は、13世紀半ばから14世紀にかけてのフランスで展開した、ゴシック建築の一段階である。その名は、ばら窓から放射状(レイヨナン)に広がる繊細な狭間飾り(トレーサリー)に由来する。様式の起点は、1231年に着手されたサン=ドニ修道院聖堂の大改築に求められることが多い。

盛期ゴシックが高さと構造を追い求めたのに対し、レイヨナン式は、光と面の表現へと関心を移した。壁はさらに薄く切り詰められ、窓は壁いっぱいに広げられて、建物はあたかも石の骨組みとガラスの膜とでできているかのような軽やかさを得た。細い棒状の石で窓を分かつ「バー・トレーサリー」が発達し、二つの層を貫く大きな窓や、ガラスを嵌めたトリフォリウムが好まれた。装飾は精緻をきわめ、平面的で線的な美しさが追求された。この洗練された様式はフランス王室の宮廷と結びついて広まり、ウェストミンスター寺院の改築を通じてイングランドに渡って装飾式ゴシックの形成に流れ込み、ドイツの建築にも影響を及ぼした。

新様式で建てられた最初の大聖堂にはアミアン大聖堂が数えられる。パリのサント・シャペル(1248年成聖)は、四方を色ガラスに囲まれた、この様式の到達点である。ノートルダム大聖堂の翼廊の正面と二つのばら窓も、レイヨナン式の名高い作例に数えられる。やがてこの流れは、火炎のように揺らぐ狭間飾りをもつフランボワイヤン式へと向かっていった。

レイヨナン式
§1

代表建築

Buildings
§2

様式の系譜

Lineage
親様式
ゴシック建築
本様式
レイヨナン式
隣接する様式